読書日記
夏休み企画〈書評でGo on a Trip!〉北米編

ALL REVIEWS 友の会で、「世界各地を〈書評〉で巡る」という企画が立ち上がりました。
※発案はかごともさん。書評推薦者はくるくるさん、hiroさん、やすだともこさん。
外に出づらい状況が続いておりますが、「思いを馳せる」ことで逆にエネルギーを溜められれば、と思います。
〈書評でGo on a Trip!〉企画、まずは北米編です!
北米にGo!
【アメリカ】
■フィリップ・ロス 『プロット・アゲンスト・アメリカ もしもアメリカが・・・』(集英社)
評者:内田 樹虚構と現実の薄い隙間には、しばしば現実よりも現実的なものが棲まっている。フィリップ・ロスはディックのSFを「本歌」として意識したはずである。そして、ディックのSFとの差別化をはかるために、自作には「実在の人物」以外のものは誰も出さないというルールを課した(らしい)。(この書評を読む)
【アメリカ】
■ローラ・インガルス・ワイルダー 『大きな森の小さな家 ―インガルス一家の物語〈1〉』(福音館書店)
評者:杉江松恋秘密基地派の僕にとっては、実りの秋は同時に冬ごもりに備える季節でもある。やがて来る厳冬の前に、美味(おい)しいものをたくさん蓄えるのだ。そして、狭い空間でぬくぬくしながらぱくぱく食べるのだ――そんな密(ひそ)かな願望を文章で満たしてくれたのが、ローラ・インガルス・ワイルダーの『大きな森の小さな家』だった。(この書評を読む)
【アメリカ】
■トマス・ピンチョン 『重力の虹』(新潮社)
評者:斎藤 環本書の通読体験は、大げさではなしに評者の「読書」概念を変えた。それは、読書に関わるシナプス結合そのものを組み替えられてしまうような、きわめて強烈な経験だった。そう、『重力の虹』は、「文学と脳」の関係性をあらためて問い直すための小説なのだ。(この書評を読む)
【アメリカ】
■マーク・トウェイン 『ハックルベリー・フィンの冒けん』(研究社)
評者:池内 紀『ハックルベリー・フィン』が初めて訳されて百何年になるのか知らないが、ここに初めて日本語として名作が誕生した。(この書評を読む)
【カナダ】
■マーガレット・アトウッド 『オリクスとクレイク』(早川書房)
評者:鴻巣 友季子『侍女の物語』などで未来の管理社会を鋭く描いた作家だが、本作は終末世界のモチーフを組み合わせてSFの色合いを強めた野心作であり、〈マッドアダム〉3部作の第1作である。(この書評を読む)
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