書評
『私という運命について』(角川グループパブリッシング)
今年、40歳前後の女性を指す「アラフォー」という言葉が流行語大賞を受賞した。この世代に関心が集まる理由のひとつに、女性の生き方の多様化があるだろう。仕事、恋愛、結婚、出産……。自由に選択できるからこそ、本人は悩みも多い。自分は人生において何を選ぶべきなのか、何が最適なことなのか。そして、それははたして『運命』なのだろうか……。
女性総合職の第1期生として大手情報機器メーカーで働く冬木亜紀の、29歳から40歳までを描く。かつて自分がプロポーズを断った元恋人の結婚式への出欠を決めかねている29歳。福岡に転任し、新たに出会った男性との縁を信じようとする32歳。弟が背負った過酷な現実に心を痛める34歳。そして……。
当時の事件や政治背景など時事的な話題、会社内や家族の人間模様を丁寧に描き込み、それらの影響も含めて1人の人生が決定づけられていくことがよく分かる。「波瀾(はらん)万丈の10年を描き、大河小説のようなエンターテインメント性も。年を重ねるに従い物事の本質が見えてくるなかで、主人公が何を選び取っていくのかを、読ませます」と担当編集者の遠藤徹哉さん。読者からは「人生の選択について考えさせられた」という感想が多く聞かれるという。
単行本と合わせるとすでに11万部を突破。これまでの著者の作品の読者層は男女半々だったが、本書は実に女性が75%。パブリシティ担当の松谷文緒さんによると「首都圏や都市部での売れ行きがよく、都会に住む30〜40代の女性に読まれている書籍といえそうです」。働くアラサー、アラフォーたちが、自分の「私という運命」に思いをはせながら読んでいる模様。
女性総合職の第1期生として大手情報機器メーカーで働く冬木亜紀の、29歳から40歳までを描く。かつて自分がプロポーズを断った元恋人の結婚式への出欠を決めかねている29歳。福岡に転任し、新たに出会った男性との縁を信じようとする32歳。弟が背負った過酷な現実に心を痛める34歳。そして……。
当時の事件や政治背景など時事的な話題、会社内や家族の人間模様を丁寧に描き込み、それらの影響も含めて1人の人生が決定づけられていくことがよく分かる。「波瀾(はらん)万丈の10年を描き、大河小説のようなエンターテインメント性も。年を重ねるに従い物事の本質が見えてくるなかで、主人公が何を選び取っていくのかを、読ませます」と担当編集者の遠藤徹哉さん。読者からは「人生の選択について考えさせられた」という感想が多く聞かれるという。
単行本と合わせるとすでに11万部を突破。これまでの著者の作品の読者層は男女半々だったが、本書は実に女性が75%。パブリシティ担当の松谷文緒さんによると「首都圏や都市部での売れ行きがよく、都会に住む30〜40代の女性に読まれている書籍といえそうです」。働くアラサー、アラフォーたちが、自分の「私という運命」に思いをはせながら読んでいる模様。
朝日新聞 2008年12月14日
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