1『子どもがほしい!』(白水社)
「夫はいらない、でも…」1926年の作品『子どもがほしい!』というタイトルに惹(ひ)かれて、手に取って見ると、現代の話ではなく、今から百年ほど前、革命後のモスクワを舞台とした戯曲である。住民がひしめきあ…

「夫はいらない、でも…」1926年の作品『子どもがほしい!』というタイトルに惹(ひ)かれて、手に取って見ると、現代の話ではなく、今から百年ほど前、革命後のモスクワを舞台とした戯曲である。住民がひしめきあ…
コロナが 「賃貸族」を再考させたはじめまして、みなさん。モトザワです。57歳、独身、子なし、住宅大好きな「住み道楽」のフリーライターです。いきなりですが、質問です。コロナは、あなたの生活を変えましたか…
ヨーロッパ各地の極右政党、トランプ大統領誕生、ブレグジット……リベラリズムとデモクラシーはもう終わりなのか?2018年7月にオバマ元米国大統領がフェイスブックで称賛、いまもアメリカで話題を読んでいる政治学書…
「管理職はすぐ失業」「生成AIのせいで労働は無価値に」…こんな見通しは間違いだ。統合テクノクラシー(AIに政治をやらせる)でも企業リバタリアニズム(国家を優秀な企業家が経営する)でもない、第三の道(デジタ…
男がぐらりと揺れる瞬間藤沢さんの描く主人公は、デビューの頃から一貫している。孤独な内面を抱え、焦燥し、絶望し、ときには狂気に陥る。ある場合には、ギリギリのところで踏みとどまる。危うい足どりを、じつに…
時は一九七二年、場所はアラバマ州のタスカルーサ。父親が院長を務める南部最大の精神病院で敷地管理主任をしている、大学を卒業したばかりのビリーが、この物語の主人公だ。彼のモットーは「もっとも抵抗の少ない…
新潟にある尺玉発祥の地で奉納花火を見たことがある。見物場所の神社の境内からさほど離れていない場所で打ち上げるので、二尺、三尺といわず、今や都会の花火大会でも珍しくはない一尺玉ですら夜空いっぱいに広が…
サティとドビュッシー×月×日群馬県立館林美術館で行われた「鹿島茂コレクションフランスのモダングラフィック展」をキュレーションするに当たって、モダンの創造法の問題に突き当たった。一つはアカデミズムの中に…
1975年に見つかった「読んでもらわねば」渡辺一夫の『敗戦日記』は、多くの日記がそうであるように、公開を前提に書かれたものではない。編者のひとり、二宮敬(たかし)氏が解題で記されているとおり、一九七五年…
脳神経学とも共同し多様性考察これまでの異文化研究において、文化の他者について展示的な表象に偏重するものが多い。とくに一九七〇年代後半から流行っていた比較文化論は経験主義的な記述に片寄っており、急激に…