1『研修生』(中央公論新社)
歩み、言葉、時間…日常に潜む人間関係今はもう会えなくなってしまった人と最後に会った日のことを思い出すと、その日が最後になるとちっとも思っていなかった自分を呪い始めるが、その手の呪いは誰もが持っている…


歩み、言葉、時間…日常に潜む人間関係今はもう会えなくなってしまった人と最後に会った日のことを思い出すと、その日が最後になるとちっとも思っていなかった自分を呪い始めるが、その手の呪いは誰もが持っている…


コロナが 「賃貸族」を再考させたはじめまして、みなさん。モトザワです。57歳、独身、子なし、住宅大好きな「住み道楽」のフリーライターです。いきなりですが、質問です。コロナは、あなたの生活を変えましたか…


いま風の仕かけで「古代の娯楽」再生その昔、岩波文庫を古代から順に読破しようと思いつき、呉茂一訳『オデュッセイアー』でさっそく挫折した。全二十四巻一万二千余行あって、これが文学の基とされる本場ヨーロッ…


なんだよなんだよ肩すかしだよ肩すかしだよ、なんだよ肩すかしだよの一億光年倍だよっ!いえね、本多孝好の『真夜中の五分前』の話なんですけど、これが、あなた、〈side-A〉〈side-B〉ってな薄っぺらな二冊に分か…


奇想天外、政治的な寓話舞台は「架空の港町」と呼ばれる、とある島。そこでは、町長の意向を受け、主要産業を漁業から観光に変えて、花畑で育つアゲハチョウをその目玉にしている。ゆえに、アゲハを捕食する海鳥は…


大好物のだめ男がわんさか登場する近代小説を愛読する者なのですが、往時の私小説作家にはしかし、非モテの視線が欠けているのが二十一世紀人としては少し物足りなかったりもするんであります。昔のだめんずは自分…


「いったい誰が笑えましょう」しみじみそのカナダ人は「備中(びっちゅう)松山城デス」といった。先日、京都六条の「そのうちカフェ」で、カナダ人夫婦と相席になった。日本の城が好きで全国をまわっているという…


理知と繊細な情感の融合平野啓一郎の新作長編『ある男』は、意表をつくようなシンプルなタイトルとは裏腹に、様々な要素を複雑に絡み合わせ、小説家の技と知識を駆使して練り上げた作品である。理知的な論理構成と…


「良識の限界」新文学誕生の予感ウズィ・ヴァイルは一九六四年生まれのイスラエルの作家。ポストモダン世代の人気作家という。本書は短編や、コラムなどから一九編の作品を選んだ日本版オリジナルの作品集である。…


スパイ小説、語りに仕掛けオックスフォードの元教員ペリーは彼の恋人で弁護士のゲイルと訪れたカリブ海のリゾート地で、ロシア人の富豪ディマからテニスの試合を申し込まれる。だが、武装した護衛に守られ、5人の…
