
1948年生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。執筆活動を経て、1989年より東工大に勤務。現在、東京工業大学名誉教授。著書に『仏教の言説戦略』(勁草書房)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『社会の不思議』(朝日出版社)など多数。…もっと読む
- 『大きな字で書くこと/僕の一〇〇〇と一つの夜』(岩波書店)橋爪 大三郎
没後出版された晩年のエッセイ集と私家版詩集が、合本で文庫になった。読めば魂が揺さぶられる。加藤典洋氏は若い頃、小説の才能があった。≪君の本質…
書評 - 『街とその不確かな壁』(新潮社)橋爪 大三郎
文学がつなぐ夢、40年の宿題解く『街とその不確かな壁』は村上春樹氏の六年ぶりの新作長編。自身の半生と文学の本質を凝縮した寓話小説だ。全体は三…
書評 - 『トランスジェンダー入門』(集英社)橋爪 大三郎
LGBTQのTは「トランスジェンダー」のT。出生時に決められたのと反対の性別を生きる人びとだ。男性↓女性の「トランス女性」とその反対の「トランス男…
書評 - 『Z世代のアメリカ』(NHK出版)橋爪 大三郎
Z世代はおおむね《1997年から2012年の間》の生まれ。ネット環境と共に育った「デジタルネイティブ」だ。考え方や行動様式が独特で、社会を確実に変え…
書評 - 『完本 チャンバラ時代劇講座 1』(河出書房新社)橋爪 大三郎
橋本治氏の才能が縦横無尽に暴れ回る『完本チャンバラ時代劇講座』が文庫2冊で復刊だ。めでたい。初版は一九八六年刊。あとがきによると元は「チャン…
書評 - 『井上哲次郎と「国体」の光芒:官学の覇権と〈反官〉アカデミズム』(白水社)橋爪 大三郎
西欧思想を調理、従順な臣民レシピ考案明治~昭和の知識界に君臨した井上哲次郎。その実像に若手の政治学者・杉山亮氏が肉薄する。井上は一八五五年…
書評 - 『日本とは何か――日本語の始源の姿を追った国学者たち』(みすず書房)橋爪 大三郎
契沖、賀茂真淵、本居宣長、富士谷御杖(みつえ)。国学の巨人らが≪日本語の始源の姿を追≫う格闘を描く。契沖『万葉代匠記』が始まりだ。彼は真言宗…
書評 - 『ハンセン病家族訴訟 裁きへの社会学的関与』(世織書房)橋爪 大三郎
二○年にわたって何百人ものハンセン病患者や家族の聞き取り調査を続けてきた著者両名による記録。二○一六年に熊本地裁で始まった家族訴訟も支援し伴…
書評 - 『理念経営2.0 ── 会社の「理想と戦略」をつなぐ7つのステップ』(ダイヤモンド社)橋爪 大三郎
佐宗氏は戦略デザインファームBIOTOPEの代表。企業経営戦略のプロだ。創業から一段落すると社員らが辞め、危機を迎えた。この会社は存在すべきか。苦…
書評 - 『なぜヒトだけが老いるのか』(講談社)橋爪 大三郎
動物はヨボヨボにならない。サケは産卵すると脳が縮んですぐ死ぬ。動物はたいてい元気なままコテンと死に、誰かに食べられてしまう。ヒトだけが老い…
書評 - 『資本主義の〈その先〉へ』(筑摩書房)橋爪 大三郎
時代精神の運動、捉える想像力ポスト冷戦は、世界中が資本主義にすっぽり包まれる時代。逃げ場のない牢獄だ。出口はないのか。ほこりを被っていた社…
書評 - 『観光客の哲学 増補版』(ゲンロン)橋爪 大三郎
いまを思索する、世界的水準の仕事観光客は国境を越える。無責任で無教養で勝手に動き回り、地元民に迷惑がられる。こんな人びとが、これからの時代…
書評 - 『老子探究: 生きつづける思想』(岩波書店)橋爪 大三郎
為政者に向けた無為自然の道古代思想の巨人・老子。孔子と共に、中国の人びとの精神世界を深く規定している。老荘思想と道教の源流、『老子』の説く…
書評 - 『江戸の科学者』(講談社)橋爪 大三郎
しょぼくれた日本に光江戸時代の科学者と聞くと、和算の関孝和、エレキテルの平賀源内、日本地図の伊能忠敬、…が思い浮かぶ。そんなビッグネームを…
書評 - 『アメリカを作った思想 ――五〇〇年の歴史』(筑摩書房)橋爪 大三郎
「唯一の国」創成した≪想い≫の連鎖新大陸を「アメリカ」と表記する地図が出た五○○年前から現在まで、この地で語られたさまざまなアイデアを通覧する…
書評 - 『哲学探究』(講談社)橋爪 大三郎
言語は生きざまそのもの二○世紀哲学の天才ルートウィッヒ・ウィトゲンシュタイン(L・W)の『哲学探究』の新訳だ。二○○九年改訂の英独対訳「原著第…
書評 - 『日本習合論』(ミシマ社)橋爪 大三郎
異物の排除が進む恐怖内田樹氏の書くものはひと筋縄でない。合気道の達人で、エマニュエル・レヴィナスの研究者。油断すると一本取られてしまう。今…
書評 - 『日本を開国させた男、松平忠固: 近代日本の礎を築いた老中』(作品社)橋爪 大三郎
不平等条約史観に対抗するペリーが来航し翌年に日米和親条約を、また五年後に日米修好通商条約を結んだ。その交渉をまとめたのが、老中の松平忠固(…
書評 - 『中国禅宗史』(筑摩書房)橋爪 大三郎
世界的なポテンシャルを読み解く中国で独自の発達を遂げ、仏教なのかさえ疑問な禅宗。その真の姿を、語録を通して探り出す。禅宗は、初期→唐代の禅→…
書評 - 『折口信夫伝』(筑摩書房)橋爪 大三郎
古代を追い、神道再生を目指す日本民俗学を偉大な学問たらしめた折口信夫。柳田国男の蔭にかくれがちな実像を、晩年の足かけ七年を身近に過ごした岡…
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