本文抜粋
『共生する生きもの図鑑』(原書房)
クモと同居するトカゲ、「固い」絆のウニとカニ、共犯関係のオオカミとカラス。動物から昆虫、植物まで、自然界の「共生関係」を、リアルで美しいイラストとともに紹介した『共生する生きもの図鑑』より、「アカシアアリとナガホアリアカシア」の関係について、公開します。


ほかのアリと違ってアカシアアリは、地中の巣穴ではなく、ナガホアリアカシアの空洞になった托葉針(托葉が鋭い突起に変形したもの)にすんでいる。この鋭いトゲで、食べられないようにしているのだろうと思われるかもしれないが、じつは防御を担っているのは群れをなす小さなアカシアアリだ(1本の木におよそ1万6000匹のアリがすんでいる)。守ってもらうお返しに、この植物はアリに蜜と栄養を与える。この意外なペアの関係は、どちらももう一方がいなければ生きていくことができないほど重要で、絶対的相利共生の関係といえる。

[書き手]サミ・ベイリー(自然史イラストレーター)
ニューカッスル大学で自然史イラストレーションを専攻。初めての著書『The Illustrated Encyclopaedia of 'Ugly' Animals』は、インディ・ブック・ザ・イヤー児童書部門を受賞し、CBCAイヴ・パウナル・アワード受賞図書、アメリカ書籍協会2020ブック・オブ・ザ・イヤーの最終候補に選ばれた。

アカシアアリとナガホアリアカシアの相利共生

ほかのアリと違ってアカシアアリは、地中の巣穴ではなく、ナガホアリアカシアの空洞になった托葉針(托葉が鋭い突起に変形したもの)にすんでいる。この鋭いトゲで、食べられないようにしているのだろうと思われるかもしれないが、じつは防御を担っているのは群れをなす小さなアカシアアリだ(1本の木におよそ1万6000匹のアリがすんでいる)。守ってもらうお返しに、この植物はアリに蜜と栄養を与える。この意外なペアの関係は、どちらももう一方がいなければ生きていくことができないほど重要で、絶対的相利共生の関係といえる。

[書き手]サミ・ベイリー(自然史イラストレーター)
ニューカッスル大学で自然史イラストレーションを専攻。初めての著書『The Illustrated Encyclopaedia of 'Ugly' Animals』は、インディ・ブック・ザ・イヤー児童書部門を受賞し、CBCAイヴ・パウナル・アワード受賞図書、アメリカ書籍協会2020ブック・オブ・ザ・イヤーの最終候補に選ばれた。
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