後書き
『もっと知りたいクリスマス: サンタ、ツリー、キャロル、世界の祝い方まで』(原書房)
今年もいよいよ街にクリスマスの飾りつけが見られる季節になった。クリスマスといえば、日本では真白な生クリームのうえに赤いイチゴがのったクリスマスケーキが定番だが、これは欧米の人からすると「かなり」独特なクリスマスの祝い方に見えるらしい。
独特な祝い方といえば、イギリスで最近よくおこなわれるようになったという、全員で「ダサい」クリスマス柄のセーターを着る〈クリスマスジャンパー・パーティー〉。それこそ新しいスタイルに思えるが、長い歴史があるクリスマスという祝祭は、いつだって現代的な要素を取り入れて(ときには禁じられたこともあったが)発展し、新しい「伝統」を生み出してきた。
では、そもそもクリスマスはいつからあるのか? サンタやツリー、キャロル、赤鼻のルドルフは? その誕生までの道のりや、世界のクリスマスの祝い方まで、大英図書館所蔵の美しいヴィンテージイラストとともにやさしく解説した書籍『もっと知りたいクリスマス』の「おわりに」を抜粋して公開する。
サンタクロースと七面鳥のごちそうが大人気になったのはこの150年のことですが、その人気がいつまで続くかは誰にもわかりません。飼い犬にトナカイの格好をさせるといった流行も、イギリスで最近よくおこなわれるようになった、全員で“ダサい”クリスマス柄のセーターを着て愉しむ〈クリスマスジャンパー・パーティー〉も無視しないほうがいいのかもしれません。もしかしたら新たな伝統になるのかもしれないのですから。
それでも、クリスマスがキリスト教の聖なる祝日であっても世俗のお祭り騒ぎであっても、古めかしいですが気立てのいい善良なサー・ロジャー・ド・カヴァーリーの「クリスマスが真冬のさなかにあるのはとてもいいことだ」という意見には、北半球に暮らす誰もが賛成するにちがいありません。
最後に、ヴィクトリア朝時代の都会に息づいている昔ながらのクリスマスを描いたチャールズ・ディケンズが、最初にクリスマスについて書いた『クリスマスの浮かれ騒ぎ』のこの言葉を紹介しましょう。「クリスマスという言葉そのものに魔法の力があるみたいだ」
[書き手]ジョージ・グッドウィン(作家、歴史家)
独特な祝い方といえば、イギリスで最近よくおこなわれるようになったという、全員で「ダサい」クリスマス柄のセーターを着る〈クリスマスジャンパー・パーティー〉。それこそ新しいスタイルに思えるが、長い歴史があるクリスマスという祝祭は、いつだって現代的な要素を取り入れて(ときには禁じられたこともあったが)発展し、新しい「伝統」を生み出してきた。
では、そもそもクリスマスはいつからあるのか? サンタやツリー、キャロル、赤鼻のルドルフは? その誕生までの道のりや、世界のクリスマスの祝い方まで、大英図書館所蔵の美しいヴィンテージイラストとともにやさしく解説した書籍『もっと知りたいクリスマス』の「おわりに」を抜粋して公開する。
クリスマスはいつからあるの?
クリスマスの醍醐味は、その伝統がつねに変化して、さらには新しい伝統が加わっても、すぐに時代を超えた古びた感じが出てくるところです――とくに子どもたちにとってはそうです。サンタクロースと七面鳥のごちそうが大人気になったのはこの150年のことですが、その人気がいつまで続くかは誰にもわかりません。飼い犬にトナカイの格好をさせるといった流行も、イギリスで最近よくおこなわれるようになった、全員で“ダサい”クリスマス柄のセーターを着て愉しむ〈クリスマスジャンパー・パーティー〉も無視しないほうがいいのかもしれません。もしかしたら新たな伝統になるのかもしれないのですから。
それでも、クリスマスがキリスト教の聖なる祝日であっても世俗のお祭り騒ぎであっても、古めかしいですが気立てのいい善良なサー・ロジャー・ド・カヴァーリーの「クリスマスが真冬のさなかにあるのはとてもいいことだ」という意見には、北半球に暮らす誰もが賛成するにちがいありません。
最後に、ヴィクトリア朝時代の都会に息づいている昔ながらのクリスマスを描いたチャールズ・ディケンズが、最初にクリスマスについて書いた『クリスマスの浮かれ騒ぎ』のこの言葉を紹介しましょう。「クリスマスという言葉そのものに魔法の力があるみたいだ」
[書き手]ジョージ・グッドウィン(作家、歴史家)
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