書評
『僕とアリスの夏物語 人工知能の,その先へ』(岩波書店)
両親がAI研究者で、引きこもり中の小学六年生悠翔(はると)は、金髪色白の女の子アリスを預かることになる。四年生くらいに見えるが、言葉は話せず歩けもしない。だが、悠翔とその幼なじみの絵里奈に可愛がられ、自ら探索の意欲もあって多くを学んでいく。アリスは人工知能をつけたロボットであり、悠翔がそれを知らされていないことに問題ありと感じた同級生颯太(そうた)の父親(元AIジャーナリスト)が近づいたため、アリスは彼を傷つけてしまう。
八話から成る物語の一話毎に解説があり、人工知能技術の現状とその技術的、社会的、倫理的問題が語られる。人間の知性と人工知能の相違に身体の固有性と経験の全体性があること、ダメそうでもやってみることの意味、移動による場所の概念の理解の重要性、社会の中での言語獲得と理解の必要性などが浮かび上がりなるほどと思う。急速に実用化が進められようとしている人工知能の本質がとてもよく理解でき、興味深い。本書を読んで、人間と人工知能を持つロボットはまったく異なるものであり、アリスをつくってはいけないという思いを強くした。
八話から成る物語の一話毎に解説があり、人工知能技術の現状とその技術的、社会的、倫理的問題が語られる。人間の知性と人工知能の相違に身体の固有性と経験の全体性があること、ダメそうでもやってみることの意味、移動による場所の概念の理解の重要性、社会の中での言語獲得と理解の必要性などが浮かび上がりなるほどと思う。急速に実用化が進められようとしている人工知能の本質がとてもよく理解でき、興味深い。本書を読んで、人間と人工知能を持つロボットはまったく異なるものであり、アリスをつくってはいけないという思いを強くした。
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