書評
『芸術家の年賀状』(二玄社)
年賀状というのは、大人になってたくさん「出さなきゃイケない」となるとたいそう面倒なものである。
しかし、お正月の朝、なつかしい知り合いや、親しい友人から送られてきた年賀状を見るのは、楽しい。
年賀状が現在のようなものになったのは、明治三十三(一九〇〇)年前後らしい。この年に私製はがきの解禁があったのだそうで、その以前にも官製はがきで肉筆の年賀状らしきものはあったろうが、この頃急激に流行したらしい。(日本絵葉書会・山田俊幸氏による)
本書は、芸術家の年賀状があつめられていて、オールカラーで見ることができる。
来年の干支(えと)のニワトリをモチーフにした年賀状は(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2004年11月)、青木繁、北原白秋と親交のあった洋画家、森田恒友のもの(平福百穂あて)。ひょうひょうとしていて、楽しい絵だ。
トリ年のものでは、村山槐多が森於菟に送ったものもある。こちらはちょっとアールヌーボー調の洒落(しゃれ)た画風。
年賀状が縁で漱石の「吾輩は猫である」の装丁もした橋口五葉のもの、小川芋銭や鏑木清方、杉浦非水に川上澄生、石井鶴三から棟方志功、東山魁夷と大家の賀状も、それぞれ楽しく、肩の凝らない鑑賞ができる。
しかし、お正月の朝、なつかしい知り合いや、親しい友人から送られてきた年賀状を見るのは、楽しい。
年賀状が現在のようなものになったのは、明治三十三(一九〇〇)年前後らしい。この年に私製はがきの解禁があったのだそうで、その以前にも官製はがきで肉筆の年賀状らしきものはあったろうが、この頃急激に流行したらしい。(日本絵葉書会・山田俊幸氏による)
本書は、芸術家の年賀状があつめられていて、オールカラーで見ることができる。
来年の干支(えと)のニワトリをモチーフにした年賀状は(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2004年11月)、青木繁、北原白秋と親交のあった洋画家、森田恒友のもの(平福百穂あて)。ひょうひょうとしていて、楽しい絵だ。
トリ年のものでは、村山槐多が森於菟に送ったものもある。こちらはちょっとアールヌーボー調の洒落(しゃれ)た画風。
年賀状が縁で漱石の「吾輩は猫である」の装丁もした橋口五葉のもの、小川芋銭や鏑木清方、杉浦非水に川上澄生、石井鶴三から棟方志功、東山魁夷と大家の賀状も、それぞれ楽しく、肩の凝らない鑑賞ができる。
朝日新聞 2004年11月21日
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