書評
村上 陽一郎「2025年 この3冊」毎日新聞|<1>ティム・ペイジ編、宮澤 淳一訳『グレン・グールド著作集』(みすず書房) <2>石井 洋二郎『大学の使命を問う』(藤原書店) <3>原 広司、吉見 俊哉『このとき、夜のはずれで、サイレンが鳴った』(岩波書店)
2025年「この3冊」
<1>ティム・ペイジ編、宮澤 淳一訳『グレン・グールド著作集』(みすず書房)
<2>石井 洋二郎『大学の使命を問う』(藤原書店)
<3>原 広司、吉見 俊哉『このとき、夜のはずれで、サイレンが鳴った』(岩波書店)
最初の二つは、本紙で取り上げる機会を失った作品、<3>は本紙でも紹介したが、内容もさることながら、個人的哀惜の情黙(もだ)し難く、敢(あ)えて再登場。
<1>は、ちょっと手が出し難いほどの大著、あのグールドが、これほどの健筆家であったとは、それだけで大きな驚きだった。実は先訳があったのだが、不勉強の評子は見過ごしていたというお粗末。でも、今回新たな訳者のお陰で、この稀代(きたい)の才人が、パフォーマンスという営みに関して、極めて幅広く、かつ深い洞察と見識を持っていたことを知る良い機会になった。
<2>は、今日大学を語らせたら第一人者の著者の、大学への愛と危機感に由来する好著。出版元のトップが、テーマに関して問答を挑む、著者がそれに応える、という珍しい形式。著者が大学の新入生に対して贈った愛情あふれるメッセージも採録。
ALL REVIEWSをフォローする


































