書評
『アヴァン・チャイナ―中国の現代アート』(木魂社)
中国のアヴァンギャルドは一九七六年、周恩来の死をきっかけに誕生した。その後、政治が左へ右へと大きく揺れ動くなかで、二十年来イデオロギーのメタファーとして表現され続けてきた。著者はその短い歴史を紹介し、現代アートが誕生した背景や奇抜な構図と形に託されたメッセージの解読を試みた。歴史背景、政治的コンテクストを紹介しながら、個々の作品について丁寧な分析が行われた。
多くの読者にとって本書に収録された写真は衝撃的かもしれない。それらの作品を理解するには欧米流の芸術感性ではおそらく充分ではないであろう。少なくとも現代中国の政治言語にも通暁する必要がある、著者が図像を読み解く過程はそのまま激動の現代史をたどる結果となる。
取り上げられたのは絵画、彫刻やパフォーマンスだけではない。現代詩も七十年代の終わり頃、民主化を求める運動の一部として登場した。現代アートとの関連でそうした詩も論じられている。中国の現代アートを知りたい方にとって格好の案内書である。
【この書評が収録されている書籍】
多くの読者にとって本書に収録された写真は衝撃的かもしれない。それらの作品を理解するには欧米流の芸術感性ではおそらく充分ではないであろう。少なくとも現代中国の政治言語にも通暁する必要がある、著者が図像を読み解く過程はそのまま激動の現代史をたどる結果となる。
取り上げられたのは絵画、彫刻やパフォーマンスだけではない。現代詩も七十年代の終わり頃、民主化を求める運動の一部として登場した。現代アートとの関連でそうした詩も論じられている。中国の現代アートを知りたい方にとって格好の案内書である。
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