書評
『現代中国法入門』(有斐閣)
人治の国家とよくいわれている。はたして中国には法律があるのか。もしあるとすれば、どのような法律があるか。そもそも中国の法律概念はどのようなものなのか、本書はそれらの疑問に答えるべく、現代中国法の歴史、現代法の概要および法学教育という三つの角度から中国の法体系について紹介した。
中国では一九七九年にはじめて刑法が制定され、一九八〇年代に入るまで物権法、債権法や相続法など民事財産関係の法律はほぼ空白のままであった、商法も一九九三年十二月に会社法が採択されてから、はじめて登場した。三十年以上ものあいだに法律らしい法律といえば憲法、婚姻法、土地改革法と労働組合法しかなかった。それ以外はすべて共産党の文書に頼らざるをえなかった。
入門書であるため、専門外の人にもわかりやすく書かれている。中国の法律を知る上でもむろん役に立つが、法律が制定される過程、紛争の調停慣習などはむしろ現代中国文化を知るカギになるかもしれない。
【この書評が収録されている書籍】
中国では一九七九年にはじめて刑法が制定され、一九八〇年代に入るまで物権法、債権法や相続法など民事財産関係の法律はほぼ空白のままであった、商法も一九九三年十二月に会社法が採択されてから、はじめて登場した。三十年以上ものあいだに法律らしい法律といえば憲法、婚姻法、土地改革法と労働組合法しかなかった。それ以外はすべて共産党の文書に頼らざるをえなかった。
入門書であるため、専門外の人にもわかりやすく書かれている。中国の法律を知る上でもむろん役に立つが、法律が制定される過程、紛争の調停慣習などはむしろ現代中国文化を知るカギになるかもしれない。
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