書評
『法華経 上―梵漢和対照・現代語訳』(岩波書店)
平安文学の例を挙げるまでもなく、『法華経』は仏教のみならず、各時代の文化にも大きな影響を及ぼしている。これまで三巻本の岩波文庫版がもっとも入手しやすかったが、その岩波書店から四十年ぶりに新訳が刊行された。
翻訳に際して文法的な正確さを期し、坂本・岩本訳の文庫版の間違いが全面的に直された。曖昧なところも明瞭に訳されている。詳細な注の中でこれまでの翻訳のどこがどう間違っているのか、原文を引きながら詳細に説明されている。学問研究の謹厳さと誠実さには頭が下がる。
八年にわたる翻訳だが、それが多忙な仕事のかたわらでなし遂げられたとは驚きだ。月並みの研究論文を凌ぐ訳業で、一日も早く文庫本にしてほしい。
【新版】
【この書評が収録されている書籍】
翻訳に際して文法的な正確さを期し、坂本・岩本訳の文庫版の間違いが全面的に直された。曖昧なところも明瞭に訳されている。詳細な注の中でこれまでの翻訳のどこがどう間違っているのか、原文を引きながら詳細に説明されている。学問研究の謹厳さと誠実さには頭が下がる。
八年にわたる翻訳だが、それが多忙な仕事のかたわらでなし遂げられたとは驚きだ。月並みの研究論文を凌ぐ訳業で、一日も早く文庫本にしてほしい。
【新版】
【この書評が収録されている書籍】
ALL REVIEWSをフォローする













































