書評
『狂狗集 Mad Dog Riprap』(左右社)
犬目線、世界切り取る一行詩
比較文学者で詩人の管啓次郎さんが句集を出した。しかし、これは「句」集なのかどうか、通読したいまも自信はない。句、というより「一行詩」なんだろう、たぶん。短い、とても短い一行に詩のエッセンスを凝縮する。
どうやって?
そこで管さんが借りたのが犬の目線だ。大地をうろつき、世界を移動する犬(まさしく狂った狗さながら)が吐き出す言葉のみずみずしさ。
〈迂回せよ牛と見し世は泥の河〉
〈犬と走らういつもの街路のパルクール〉
こんな感じ。世界を切り取る鋭い視線が、詩の言葉となって、ここにある。
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