内容紹介
書き手:松本 明子 他
『明るく解決!実家じまい実践BOOK 実家処分・家財整理・空き家活用がよくわかる』(祥伝社)
生まれ育った実家。でも子どもたちはみな実家を出て、両親も高齢に。
いずれ実家には住む人が誰もいなくなる――。
このままでは、空き家になりそうな実家問題。どうしたらいいのでしょう。
タレントの松本明子さんは、空き家になった実家の維持費に、
25年間で総額1800万円超をかけてしまいました。
空き家の維持費だけで1000万円以上―。
リフォーム代が600万円―。
物を捨てない世代の父母が遺した大量の遺品、
その片付け費用総額約170万円―。
気がつけば、実家の維持費は25年間で総額1800万円!!!
しかも、売却時の初回査定額はまさかの200万円。
大赤字を出してしまったのです!
こんなしくじりを反面教師にしてほしいと、
実家じまいの講演会を続けている松本明子さん。
新刊『明るく解決!実家じまい実践BOOK』では、
空き家対策の専門家、空き家活用株式会社の和田貴充さんに
とことんプロのコツを聞きました。
一部抜粋してお届けします。
松本明子さんが大赤字を出した実家じまい。
和田 そうですね。これは要るかもしれない、使うかもしれないと思うと、どんどん捨てられなくなりますよね。では、どうすればいいか。「使っていないものは捨てる!」、これを基準にすればいいんです。
松本 「要るか、要らないか」ではなく、「使っているか、使ってないか」。
和田 そうです。「使っていないものは捨てましょう。もしくは誰かにあげましょう」を基準にすれば、家財の片付けは俄然クリアになり、作業がラクになります。使っていないとわかれば、捨てればいいだけですから。
松本 長男は「要るやろ」と言い、長女は「そんなん要らんやろ」と言い、次男は「どっちでもいいわ」みたいな(苦笑)。
和田 人によってその家のモノへの思い入れが違うんです。その点、整理整頓のプロの方は、片付けの基準を必ず「使っているかどうか」に置いて質問しますよね。
「これは使っていますか? 使っていませんか?」と。答えは2つにひとつで、使っているなら残すし、使っていないなら捨てる。それ以外の答えはないわけです。実家の片付けの場合、使っているかどうかは親御さんでないとわかりません。親子で一緒にまずは少しずつ始めるようにしましょう、と言ったのは、「使っているかどうか」を基準にモノを仕分けし、どれを残してどれを捨てるか、その要領をおぼえてもらう意味もあるんです。
松本 なるほど。
和田 ただし親子で一緒にやるのはいいことばかりではなくて、喧嘩になってしまうこともあるので注意が必要です。お父さん、お母さんがちっとも捨てないから「これもう要らんでしょ?」と子どもがイライラして言い出すんです。
松本 それに親はカチンと来て、「捨てたらあかん!」(笑)。
和田 そうです(笑)。その意味では家のモノに思い入れのない第三者の方に入ってもらうほうがほんとうはいいんです。「使ってるか、使ってないか」、その基準を徹底できますから。
松本 友人知人とかプロの業者さんとか。
和田 そうです。
和田 空き家の処分で、残された家財の片付けのお手伝いをするんですが、ほんとうに大事なものというのは、実はほとんど残っていないんですね。というのも、思い出の品とか印鑑、通帳、証書類のような大事なものは、たいてい子どもたちがすでに持ち帰っているからです。実家に残っているのは、それら以外の、基本的には処分していいものがほとんどです。誰も使うことなく、ただそこに置かれているだけですから。
松本 言われてみれば、そうですね。
和田 それでも捨てられないのは、子どもたちに何となく思い入れがあるからなんです。
松本 そうだと思います。何かで必要になるかもしれない、ついそう思ってしまう。
和田 この「かもしれない」がくせもので、つい引っ張られるんです。実際、明子さんの場合も、お父さんの大量の本を売りました。お母さんの着物は自分が使うなり、あげるなりするので持って帰りました。でもあとはやっぱり処分じゃないですか。100%とは言わないですけど、95%くらいは処分ですよね?
松本 いまの和田さんの話を聞いてすごく楽になりました。結局、自分の思いに縛られていたからなかなか片付けられなかったんだな、と。
和田 それに気がつくと所有者さんは家を手放せるようになるんです。私たちはそれをよく知っていますから、最初は一緒に片付けを手伝いながら、所有者さんの背中を押してあげるわけです。
松本 少しでいいから実家の片付けを始めるのは、そのための最初の一歩なんですね。
和田 そうです。そして、所有者さんが納得できれば、あとは心を決めて事業者に依頼し、実家を市場に出すことができる。片付けに限らず、実家や空き家の処理に関わるあらゆる場面で、プロの事業者はきちんと現場で所有者さんの気持ちを汲んで後押ししてくれます。プロの業者に頼むと費用はかかりますが、そのまま放置し続けた場合にかかる費用や、どんどん実家の売却金額が下がっていくことを考えれば、圧倒的にお得です。
松本 そもそも実家の片付けを全部一人でやろうとすると疲弊しきっちゃう。絶対に自分一人でやろうとしないほうがいいです。
和田 ご自身の経験からくる金言ですね。
松本 ほんとうに大変でしたから。
和田 心身ともにボロボロになりかねません。
松本 体力を超えて頑張ると、ちょっとしたことで転んだりしますしね。それこそ足の骨でも折ったら大変です(苦笑)。
和田 自虐ネタだ(笑)。
松本 いや、マジで(笑)。実家じまいを考える世代はいい年ですから、気をつけないと。
和田 おっしゃる通りです。
松本 あとは一人で落ち込まないことです。自分でやろうとしてできないと、自分を責めて落ち込んでいくんです。片付け方もわからないし。で、もうやめようってなっちゃう。
和田 そんなときはいったんやめたほうがいいです。伴走してくれる人がいないと、一人で勝手に考えて、勝手に落ち込んで、勝手に諦めるという悪循環に陥りがちです。
松本 私も最後は身内ではない長年の仕事のパートナーと行きました。一人だったら無理だったと思います。あとは一度にやろうとせずにコツコツやることでしょうか。
和田 それがいいです。親御さんが元気なうちに年に何度か片付ける機会をつくって親子で一緒にやるといいと思います。それをコツコツ続ける。難しいようならプロの業者を入れる。そうやって使わないものを捨てて、居住空間をアップデートすれば、前にお話ししたように、暮らしがぐんと明るくなるんです。部屋が片付けば、違う使い方ができるようになりますから。
松本 部屋をコツコツ片付けることで、実家じまいの邪魔をしているモノへの執着、思い入れも捨てていくということですね。
松本 親御さんと一緒に片付けを始めるときはどこから手をつけたらいいですか?
和田 リビングで一番使っている引き出しから始めるのが簡単でいいです。出して、分けて、しまって戻す――。これだけです。あとは引き出しごとに、どこに何があるかわかるように収納の名札を付ける。モノに住所をつけるわけです。これで完璧です。
松本 分けるときの基準は、「使っているか、使っていないか」でいいんですよね?
和田 そうです。要るもの、要らないもので分けてしまうと、「いつか使うかもしれないもの」まで要るものになってしまいます。でも、「いつか使うかも」でとっておいたものは、たいてい使わないものになるんです。
松本 わかる! もったいないと思って、つい残しておくけど、結局使わない。
和田 片付けのお手伝いに行くと、ボールペンが50本くらいあるお宅はいくらでもあります。
松本 あー、うちだ(苦笑)。何か買ったり契約したりするとおまけでもらえたりするので、知らないうちにたまっちゃうんですよね。
和田 使います?
松本 使ってない。50本あっても使うのは決まっています。3本あれば十分。
和田 そうなんです。だから使っていないものをまずリビングの引き出しからなくす。すると一気にモノが少なくなります。それはもうびっくりするほど。でも支障は一切ない。
松本 それだけ捨てていい使っていないものが多いということですよね。
和田 そうやって引き出し一つでもきれいにすると、片付けるのが楽しくなってくるんです。じゃあ、次はこの引き出しをやってみようとなるので、どんどん片付いて、部屋がきれいになる。気持ちも明るくなる。すると、自分たちで片付けるにはちょっと大変な、使っていない大物に行き当たりますから、そのときは友人に頼むとか、業者さんに助けてもらう。荷物がなくなれば、そうだ、この部屋で何かやろうか、と親御さんも思いますから、子どもはそれを後押ししてやればいいんです。
松本 マンネリになりがちな親御さんの日常が、俄然活性化しそう。
和田 そうなんです。
[書き手]
松本明子
和田貴充
いずれ実家には住む人が誰もいなくなる――。
このままでは、空き家になりそうな実家問題。どうしたらいいのでしょう。
タレントの松本明子さんは、空き家になった実家の維持費に、
25年間で総額1800万円超をかけてしまいました。
空き家の維持費だけで1000万円以上―。
リフォーム代が600万円―。
物を捨てない世代の父母が遺した大量の遺品、
その片付け費用総額約170万円―。
気がつけば、実家の維持費は25年間で総額1800万円!!!
しかも、売却時の初回査定額はまさかの200万円。
大赤字を出してしまったのです!
こんなしくじりを反面教師にしてほしいと、
実家じまいの講演会を続けている松本明子さん。
新刊『明るく解決!実家じまい実践BOOK』では、
空き家対策の専門家、空き家活用株式会社の和田貴充さんに
とことんプロのコツを聞きました。
一部抜粋してお届けします。
松本明子さんが大赤字を出した実家じまい。
なんと大量の遺品の片付けだけで170万円!
知っておけばよかった、片づけのプロのこの言葉
実家の片付けで言ってはいけない言葉とは?
松本 実家の片付けで一番苦労するのは、捨てるか捨てないか、要るか要らないか、その判断ではないかと思うんです。私はそれでずいぶん悩みました。和田 そうですね。これは要るかもしれない、使うかもしれないと思うと、どんどん捨てられなくなりますよね。では、どうすればいいか。「使っていないものは捨てる!」、これを基準にすればいいんです。
松本 「要るか、要らないか」ではなく、「使っているか、使ってないか」。
和田 そうです。「使っていないものは捨てましょう。もしくは誰かにあげましょう」を基準にすれば、家財の片付けは俄然クリアになり、作業がラクになります。使っていないとわかれば、捨てればいいだけですから。
松本 長男は「要るやろ」と言い、長女は「そんなん要らんやろ」と言い、次男は「どっちでもいいわ」みたいな(苦笑)。
和田 人によってその家のモノへの思い入れが違うんです。その点、整理整頓のプロの方は、片付けの基準を必ず「使っているかどうか」に置いて質問しますよね。
「これは使っていますか? 使っていませんか?」と。答えは2つにひとつで、使っているなら残すし、使っていないなら捨てる。それ以外の答えはないわけです。実家の片付けの場合、使っているかどうかは親御さんでないとわかりません。親子で一緒にまずは少しずつ始めるようにしましょう、と言ったのは、「使っているかどうか」を基準にモノを仕分けし、どれを残してどれを捨てるか、その要領をおぼえてもらう意味もあるんです。
松本 なるほど。
和田 ただし親子で一緒にやるのはいいことばかりではなくて、喧嘩になってしまうこともあるので注意が必要です。お父さん、お母さんがちっとも捨てないから「これもう要らんでしょ?」と子どもがイライラして言い出すんです。
松本 それに親はカチンと来て、「捨てたらあかん!」(笑)。
和田 そうです(笑)。その意味では家のモノに思い入れのない第三者の方に入ってもらうほうがほんとうはいいんです。「使ってるか、使ってないか」、その基準を徹底できますから。
松本 友人知人とかプロの業者さんとか。
和田 そうです。
くせものは「かもしれない」
和田 空き家の処分で、残された家財の片付けのお手伝いをするんですが、ほんとうに大事なものというのは、実はほとんど残っていないんですね。というのも、思い出の品とか印鑑、通帳、証書類のような大事なものは、たいてい子どもたちがすでに持ち帰っているからです。実家に残っているのは、それら以外の、基本的には処分していいものがほとんどです。誰も使うことなく、ただそこに置かれているだけですから。松本 言われてみれば、そうですね。
和田 それでも捨てられないのは、子どもたちに何となく思い入れがあるからなんです。
松本 そうだと思います。何かで必要になるかもしれない、ついそう思ってしまう。
和田 この「かもしれない」がくせもので、つい引っ張られるんです。実際、明子さんの場合も、お父さんの大量の本を売りました。お母さんの着物は自分が使うなり、あげるなりするので持って帰りました。でもあとはやっぱり処分じゃないですか。100%とは言わないですけど、95%くらいは処分ですよね?
松本 いまの和田さんの話を聞いてすごく楽になりました。結局、自分の思いに縛られていたからなかなか片付けられなかったんだな、と。
和田 それに気がつくと所有者さんは家を手放せるようになるんです。私たちはそれをよく知っていますから、最初は一緒に片付けを手伝いながら、所有者さんの背中を押してあげるわけです。
松本 少しでいいから実家の片付けを始めるのは、そのための最初の一歩なんですね。
和田 そうです。そして、所有者さんが納得できれば、あとは心を決めて事業者に依頼し、実家を市場に出すことができる。片付けに限らず、実家や空き家の処理に関わるあらゆる場面で、プロの事業者はきちんと現場で所有者さんの気持ちを汲んで後押ししてくれます。プロの業者に頼むと費用はかかりますが、そのまま放置し続けた場合にかかる費用や、どんどん実家の売却金額が下がっていくことを考えれば、圧倒的にお得です。
片付けを一人でやろうとしない
松本 そもそも実家の片付けを全部一人でやろうとすると疲弊しきっちゃう。絶対に自分一人でやろうとしないほうがいいです。和田 ご自身の経験からくる金言ですね。
松本 ほんとうに大変でしたから。
和田 心身ともにボロボロになりかねません。
松本 体力を超えて頑張ると、ちょっとしたことで転んだりしますしね。それこそ足の骨でも折ったら大変です(苦笑)。
和田 自虐ネタだ(笑)。
松本 いや、マジで(笑)。実家じまいを考える世代はいい年ですから、気をつけないと。
和田 おっしゃる通りです。
松本 あとは一人で落ち込まないことです。自分でやろうとしてできないと、自分を責めて落ち込んでいくんです。片付け方もわからないし。で、もうやめようってなっちゃう。
和田 そんなときはいったんやめたほうがいいです。伴走してくれる人がいないと、一人で勝手に考えて、勝手に落ち込んで、勝手に諦めるという悪循環に陥りがちです。
松本 私も最後は身内ではない長年の仕事のパートナーと行きました。一人だったら無理だったと思います。あとは一度にやろうとせずにコツコツやることでしょうか。
和田 それがいいです。親御さんが元気なうちに年に何度か片付ける機会をつくって親子で一緒にやるといいと思います。それをコツコツ続ける。難しいようならプロの業者を入れる。そうやって使わないものを捨てて、居住空間をアップデートすれば、前にお話ししたように、暮らしがぐんと明るくなるんです。部屋が片付けば、違う使い方ができるようになりますから。
松本 部屋をコツコツ片付けることで、実家じまいの邪魔をしているモノへの執着、思い入れも捨てていくということですね。
片付けはリビングで一番使う引き出しから
松本 親御さんと一緒に片付けを始めるときはどこから手をつけたらいいですか?和田 リビングで一番使っている引き出しから始めるのが簡単でいいです。出して、分けて、しまって戻す――。これだけです。あとは引き出しごとに、どこに何があるかわかるように収納の名札を付ける。モノに住所をつけるわけです。これで完璧です。
松本 分けるときの基準は、「使っているか、使っていないか」でいいんですよね?
和田 そうです。要るもの、要らないもので分けてしまうと、「いつか使うかもしれないもの」まで要るものになってしまいます。でも、「いつか使うかも」でとっておいたものは、たいてい使わないものになるんです。
松本 わかる! もったいないと思って、つい残しておくけど、結局使わない。
和田 片付けのお手伝いに行くと、ボールペンが50本くらいあるお宅はいくらでもあります。
松本 あー、うちだ(苦笑)。何か買ったり契約したりするとおまけでもらえたりするので、知らないうちにたまっちゃうんですよね。
和田 使います?
松本 使ってない。50本あっても使うのは決まっています。3本あれば十分。
和田 そうなんです。だから使っていないものをまずリビングの引き出しからなくす。すると一気にモノが少なくなります。それはもうびっくりするほど。でも支障は一切ない。
松本 それだけ捨てていい使っていないものが多いということですよね。
和田 そうやって引き出し一つでもきれいにすると、片付けるのが楽しくなってくるんです。じゃあ、次はこの引き出しをやってみようとなるので、どんどん片付いて、部屋がきれいになる。気持ちも明るくなる。すると、自分たちで片付けるにはちょっと大変な、使っていない大物に行き当たりますから、そのときは友人に頼むとか、業者さんに助けてもらう。荷物がなくなれば、そうだ、この部屋で何かやろうか、と親御さんも思いますから、子どもはそれを後押ししてやればいいんです。
松本 マンネリになりがちな親御さんの日常が、俄然活性化しそう。
和田 そうなんです。
[書き手]
松本明子
和田貴充
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