『あのころ、私たちはおとなだった』(文藝春秋)

豊崎 由美
アン・タイラーくらい女性が読んで共感できる作家も珍しい。彼女が繰り返し描くのは、大家族の中で日々夫や子供の世話に追いまくられる女性の疲労感…
書評
「週刊新潮」「中日新聞」「DIME」などで書評を連載。著書は『そんなに読んで、どうするの?』『どれだけ読めば、気がすむの?』(以上アスペクト)、『文学賞メッタ斬り』『百年の誤読』(以上、共著、ちくま文庫)、『勝てる読書』(河出書房新書)、『読まずに小説書けますか』(共著、メディアファクトリー)、『石原慎太郎を読んでみた』(共著、原書房)など多数。近著に『「騎士団長殺し」メッタ斬り!』(河出書房新社)がある。
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