読書日記
夏休み企画〈書評でGo on a Trip!〉北欧編
世界各地を〈書評〉で巡る〈書評でGo on a Trip!〉企画、続いては北欧編です!北欧にGo!
【デンマーク】
■多和田葉子『地球にちりばめられて』(講談社)
評者:沼野 充義Hirukoはどうやら日本人らしいのだが、この物語にはそもそも「日本」という国名さえ一度も出てこない。彼女はデンマーク留学中に、自分の国がなぜか消えて帰れなくなり、アンデルセンゆかりの地、オーデンセのメルヘン・センターで紙芝居を子供たちに見せながら暮らしている。(この書評を読む)
【ノルウェー】
■ラーシュ・ミッティング『薪を焚く』(晶文社)
評者:平松 洋子ノルウェーの作家による"オールアバウト薪"。薪にまつわる実用と知見がぎっしり詰まった一冊(この書評を読む)
【フィンランド】
■トンミ・キンヌネン『四人の交差点』(新潮社)
評者:斎藤 環この悲劇には、ロシアなどによって侵略を繰り返されてきた小国フィンランドの悲哀や、この国においてある種の愛の形が1980年代まで非合法であったという政治的な背景が関わっている。(この書評を読む)
【アイスランド】
■トム・バーケット『図説 北欧神話大全』(原書房)
序章北欧神話は、中世アイスランドでいち早く文筆の文化が花開いたおかげで文書化された。(この書評を読む)
【スウェーデン】
■ダヴィド・ラーゲルクランツ『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』(早川書房)
評者:古屋 美登里タイトルの「ミレニアム」とは、世の中の不正義と闘う硬派な雑誌で、そこの取材記者であり経営者であるミカエルを中心に物語は展開していく。本来の主人公はこのミカエルなのだ。そして本書には人工知能研究において天才といわれる研究者が登場する。(この書評を読む)
【スウェーデン】
■ハンス・ロスリング,ファニー・ヘルエスタム『私はこうして世界を理解できるようになった』(青土社)
あとがき二〇一六年の秋、講演でただでさえ忙しかったハンスは、息子のオーラとその妻、アンナとの共著『FACTFULNESS』でもまた大わらわだった。彼の書いたものすべてを分類したり、古い写真に目を通したりしているうちに時間は消えていった。(この書評を読む)
【リトアニア】
■デイヴィッド・フィッシュマン『ナチスから図書館を守った人たち:囚われの司書、詩人、学者の闘い』(原書房 )
訳者あとがき本書『ナチスから図書館を守った人たち』は、ナチス・ドイツに占領されたリトアニアの首都ヴィルナ(現在のヴィリニュス)で、ナチスに迫害されたユダヤ人たちが、ユダヤ民族の文化を守り、次世代に継承していこうとして命懸けで奮闘する姿を描いたノンフィクションである。(この書評を読む)
【ラトヴィア】
■ノラ・イクステナ『ソビエト・ミルク: ラトヴィア母娘の記憶』(新評論)
評者:沼野 充義現代ラトヴィアの女性作家による話題作である。人口二百万足らずのバルト地方の小国で五万部売れるベストセラーになっただけでなく、既に英語をはじめとして世界の多くの言語に翻訳されている。物語は、一九六九年生まれの娘と、一九四四年生まれの母の複雑な関係を軸に、二〇世紀後半のラトヴィアという国の苦難の歴史を背景に展開する。(この書評を読む)
【エストニア】
■ピーター・ポメランツェフ『嘘と拡散の世紀:「われわれ」と「彼ら」の情報戦争』(原書房)
訳者あとがきエストニアは1991年にソ連から独立して、その後NATO、EUに加盟した。さらにヨーロッパ随一のデジタル先進国になることで後進国のイメージを払拭したが、ロシアと敵対した結果、分散型サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)を仕掛けられて国中のネット機能がダウンしてしまった。(この書評を読む)
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