書評
『カルピス社員のとっておきレシピ-すっきりと、まろやかに、おいしい!』(池田書店)
カルピス+マッコリ=イケる
『カルピス社員のとっておきレシピ』を見たときは、てっきり『体脂肪計タニタの社員食堂~500kcalのまんぷく定食~』(大和書房)のパクリ本だと思った。ところが全然違うのである。たしかにカルピスの社員食堂のメニューは出てくるが、後ろのほうにほんのちょっとだけ。メインはカルピスを使った料理のレシピ。それも、タイトル通り、カルピスの社員が考えた料理集である。前のほうのページにあるドリンク類は、どれもうまそうだ。カルピス入りのいちごミルクやバナナジュースはすぐにでも飲みたい。ハイボールやマッコリにカルピスを入れるのも、一瞬「えっ」と思ったが、案外おいしいかもしれない。とくにマッコリは乳酸菌仲間だから合うだろう(私は初めてマッコリを飲んだとき、カルピスの焼酎割りだと思った)。
PART03のデザート類も想定内。衝撃はPART02の料理編である。肉や野菜とカルピスを合わせるのだ。というか、砂糖や酢のかわりにカルピスを使うといったほうがわかりやすい。最初は「げげっ」と思ったのだが、「鶏もも肉の梅おろし和え」や「牛肉とセロリのすりごま炒め」など、見ているうちに食べたくなった。
カルピスについての蘊蓄も書いてある。百年あまり前、創業者の三島海雲が内モンゴルで飲んだ酸乳がそのヒントだとか(そういえば、昔、三島の邸宅だったという洋館で、ヌード撮影のアシスタントをしたことがある)。脱脂乳からつくるので、乳脂肪分はゼロである。
こういうレシピは本にしないでスーパーの乳酸飲料売り場で配れば?と思ったが、専門家によるとちょっと違うようだ。食品売り場でタダで配るレシピは人気がいまいち。ところが出版社がつくった本を置いておくと、本はともかく隣の食品がどんどん売れるのだそうだ。スーパーの主任に聞いた話である。きっと本書を置いた乳酸飲料売り場では、カルピスがたくさん売れていることだろう。
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