書評
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか: 知られざる戦後書店抗争史』(平凡社)
これを読まずして書店について語ることなかれ、といいたくなるような快著。書店組合団体の刊行物をはじめさまざまな文献を渉猟して戦後の新刊書店の歩みをたどる。
最近よくいわれる「町の本屋の危機」は、じつはずうっと前から。駅売店、コンビニ、郊外型書店、大型書店、図書館、そしてネット書店と、ライバルが次々と登場し、町の本屋はそのつど戦いを強いられてきた。利益の少なさや仕入れの不自由さなど、町の本屋が解決を望んできたことは何十年もそのままだ。
「常識のウソ」が次々とひっくり返される。そのひとつが本の値段について。日本では新刊書の多くが定価(出版社が決めた値段)で売られる。メーカーによる価格拘束は独占禁止法で禁じられているが、書籍など著作物6品目については例外的に認められている。再販制(再販売価格維持制度)だ。「文化を守るため」と説明されることが多いが、本書によるとこれは「後付けのタテマエ」にすぎなく、再販制が認められた理由はあいまいだ。
自由な読書のために、本をめぐる環境はどうあるべきか。この本を読んでじっくり考えよう。
最近よくいわれる「町の本屋の危機」は、じつはずうっと前から。駅売店、コンビニ、郊外型書店、大型書店、図書館、そしてネット書店と、ライバルが次々と登場し、町の本屋はそのつど戦いを強いられてきた。利益の少なさや仕入れの不自由さなど、町の本屋が解決を望んできたことは何十年もそのままだ。
「常識のウソ」が次々とひっくり返される。そのひとつが本の値段について。日本では新刊書の多くが定価(出版社が決めた値段)で売られる。メーカーによる価格拘束は独占禁止法で禁じられているが、書籍など著作物6品目については例外的に認められている。再販制(再販売価格維持制度)だ。「文化を守るため」と説明されることが多いが、本書によるとこれは「後付けのタテマエ」にすぎなく、再販制が認められた理由はあいまいだ。
自由な読書のために、本をめぐる環境はどうあるべきか。この本を読んでじっくり考えよう。
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