書評

『ホノルル、ブラジル: 熱帯作文集』(インスクリプト)

  • 2026/08/01
ホノルル、ブラジル: 熱帯作文集 / 管 啓次郎
ホノルル、ブラジル: 熱帯作文集
  • 著者:管 啓次郎
  • 出版社:インスクリプト
  • 装丁:単行本(210ページ)
  • 発売日:2006-12-01
  • ISBN-10:4900997153
  • ISBN-13:978-4900997158
内容紹介:
珠玉の散文が伝える希望の方法。ハワイ、ブラジル、北米からラテンアメリカ全域にわたる紀行と生活をベースに書き継がれた文章の中から、楽しく、amiableな(「あとがき」)ものを収集。食事・食… もっと読む
珠玉の散文が伝える希望の方法。ハワイ、ブラジル、北米からラテンアメリカ全域にわたる紀行と生活をベースに書き継がれた文章の中から、楽しく、amiableな(「あとがき」)ものを収集。食事・食材、気候と風土、建築、文学など、バラエティに富んだ題材を集め、一気に読めるよう新たに編集しました。文学者、文学研究者のあいだで熱心に読まれている著者ならではの色の濃い文章39篇を収録。読者を、外へ、南へ、野生へと誘う熱帯作文集。

語る口調に独特の熱気

管啓次郎の文章は、いつ読んでもみずみずしさに溢(あふ)れている。文学作品だろうと、ハワイだろうと、トルティーヤだろうと、自分が好きなものを語る口調には、独特の熱気がある。それでいて対象との距離感が絶妙なのだ。彼の最初の著書『コロンブスの犬』という本を、もう二十年近く前に手に取った日のことを思い出した。まったく変わらない読後感をこの新著からも味わった。

副題に「熱帯作文集」とあるとおり、ハワイやブラジルに滞在した折の記憶や経験がベースに語られる。漫然と、ではない。味覚と言語を通じて、つまり舌を介して感じ取ったモノが文字に置き換えられるのだ。辛い食物や乾燥した高地の暑さが、広大さや不均衡や喧騒(けんそう)や静寂が、奇蹟(きせき)的な言葉で綴(つづ)られている。

この本は、著者が教職に就いてから書いた文章を元に編まれている。だから、やや若者に語りかける調子が前面に出ている。だがここでも管は読者に対して絶妙の距離を取る。押しつけるでもなく媚(こ)びるでもない。けっして声高ではないが力強い声は、地球を何周もするほどの移動を刻印しながら、この本を類書のない、際立った書物に仕立てている。


ホノルル、ブラジル: 熱帯作文集 / 管 啓次郎
ホノルル、ブラジル: 熱帯作文集
  • 著者:管 啓次郎
  • 出版社:インスクリプト
  • 装丁:単行本(210ページ)
  • 発売日:2006-12-01
  • ISBN-10:4900997153
  • ISBN-13:978-4900997158
内容紹介:
珠玉の散文が伝える希望の方法。ハワイ、ブラジル、北米からラテンアメリカ全域にわたる紀行と生活をベースに書き継がれた文章の中から、楽しく、amiableな(「あとがき」)ものを収集。食事・食… もっと読む
珠玉の散文が伝える希望の方法。ハワイ、ブラジル、北米からラテンアメリカ全域にわたる紀行と生活をベースに書き継がれた文章の中から、楽しく、amiableな(「あとがき」)ものを収集。食事・食材、気候と風土、建築、文学など、バラエティに富んだ題材を集め、一気に読めるよう新たに編集しました。文学者、文学研究者のあいだで熱心に読まれている著者ならではの色の濃い文章39篇を収録。読者を、外へ、南へ、野生へと誘う熱帯作文集。

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2007年1月24日

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