書評

『ラテン文学における文学的モチーフとしてのfides』(国際書院)

  • 2026/10/26
ラテン文学における文学的モチーフとしてのfides / 宮坂 真依子
ラテン文学における文学的モチーフとしてのfides
  • 著者:宮坂 真依子
  • 出版社:国際書院
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(274ページ)
  • 発売日:2026-04-20
  • ISBN-10:4877913394
  • ISBN-13:978-4877913397
内容紹介:
古代ローマにおけるfides(信義、信用、信頼性、誠実、忠義、約束、誓約)という概念の重要性を、古代ローマの文学作品をとおして分析・考察し、作品を理解するうえで寄与することを目的とした研究書である。

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「信義」「信頼性」「誓約」などと訳されるfidesはローマ人の生き方の根源をなす。その理想が、ポエニ戦争期の執政官レーグルスの事例。捕らえられたレーグルスは、ローマに送り返される。カルタゴの講和条件を受け入れるようにローマ人を説得し、拒否されたらカルタゴに戻るという条件付きだった。だが、勇気ある執政官は、ローマは戦いぬくべきだと訴えながら、敵国に戻り、拷問の末に処刑されたという。

建国叙事詩『アエネーイス』におけるトロイアの英雄アエネーアースとカルタゴの女王ディードーとの間には抜き差しならぬfidesが結ばれる。英雄に恋心をいだいた女王は婚礼の約束をしたかのごとく祖国に引きとめようとする。もともとイタリアに偉大な国家を創建する宿命を担うアエネーアースは、出帆の準備を画策する。それは女王にとっては裏切りであった。宿命と情愛の板挟みにあって英雄の決断やいかに?

人間社会の絆を維持するための「正義」には、その基盤にfidesがあるはず。人類史の根底をなす問題に学術書ながら緊迫した面白さを感じさせる。
ラテン文学における文学的モチーフとしてのfides / 宮坂 真依子
ラテン文学における文学的モチーフとしてのfides
  • 著者:宮坂 真依子
  • 出版社:国際書院
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(274ページ)
  • 発売日:2026-04-20
  • ISBN-10:4877913394
  • ISBN-13:978-4877913397
内容紹介:
古代ローマにおけるfides(信義、信用、信頼性、誠実、忠義、約束、誓約)という概念の重要性を、古代ローマの文学作品をとおして分析・考察し、作品を理解するうえで寄与することを目的とした研究書である。

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2026年10月10日

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