書評
『あの頃 - 単行本未収録エッセイ集』(中央公論新社)
武田百合子のエッセイを読むのが好きだった。なかでも『犬が星見た――ロシア旅行』は忘れがたい。夫・泰淳と竹内好との3人旅の記録。百合子のエッセイは「全作品」にまとめられていると思っていたが、単行本未収録のエッセイがあったらしい。この本はそれらを百本ほど集めた。
人物を活写した文章。食べ物をさらりと独特の比喩で切り取る筆の冴え。武田泰淳はもちろんのこと、色川武大や正宗白鳥、梅崎春生やデヴィッド・ボウイまで、著者は鮮やかな手つきで切り取り、手品のように読者の前に提示する。
昔の知り合いにばったりと街で出逢ったような、不思議な懐かしさがある。編んだのは、娘で写真家の武田花。
人物を活写した文章。食べ物をさらりと独特の比喩で切り取る筆の冴え。武田泰淳はもちろんのこと、色川武大や正宗白鳥、梅崎春生やデヴィッド・ボウイまで、著者は鮮やかな手つきで切り取り、手品のように読者の前に提示する。
昔の知り合いにばったりと街で出逢ったような、不思議な懐かしさがある。編んだのは、娘で写真家の武田花。
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