書評

『断貧サロン』(河出書房新社)

  • 2026/05/14
断貧サロン / 谷川 直子
断貧サロン
  • 著者:谷川 直子
  • 出版社:河出書房新社
  • 装丁:単行本(163ページ)
  • 発売日:2014-10-14
  • ISBN-10:4309023304
  • ISBN-13:978-4309023304
内容紹介:
貧乏神被害者の会が催す、“貧乏を断つ”ためのサロン。そこには働かないイケメンの彼氏をもつ、様々な事情を抱えた女達が集まり!?

第2作も奇妙な集団登場

著者の谷川直子さんが文芸賞を受賞したのは2年前になる。『おしかくさま』という小説。ATMを守り神と仰ぐ奇妙な集団がおかしくて、ずっと笑いながら読んでいた。

小説第2作も、やはりユーモア小説だ。主人公のエリカは、30歳のキャバ嬢。イケメンの彼、シュウくんに貢物をしているうちに、借金がかさんでしまい、幼馴染(なじみ)のさえちゃんの家に転がり込む。さえちゃんは、エリカが都会で効率よく稼いでいる間、まったく生活を変えることなく、薬局の店番をして、親から月3万円をもらって暮らしている。

すごくイケてない人たちの話のようだが、読者は歯切れのよい文章に引き込まれる。

それと、もう一つ。この小説にも「BHK(貧乏神被害者の会)」なる奇天烈(きてれつ)な集団が登場する。集団を構成しているのは、かつて完璧な顔を持つ男たちと付き合ったことのある愛すべき女たち。むろん、エリカもシュウという貧乏神と別れるべく、「断貧サロン」に通うことになる……。

谷川さんには、奇妙な集団への独特の嗅覚がある。天賦の才というべきか。
断貧サロン / 谷川 直子
断貧サロン
  • 著者:谷川 直子
  • 出版社:河出書房新社
  • 装丁:単行本(163ページ)
  • 発売日:2014-10-14
  • ISBN-10:4309023304
  • ISBN-13:978-4309023304
内容紹介:
貧乏神被害者の会が催す、“貧乏を断つ”ためのサロン。そこには働かないイケメンの彼氏をもつ、様々な事情を抱えた女達が集まり!?

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2014年11月5日

ALL REVIEWS 書評講座(オンライン受講) ≫オンラインで参加する
現地満席|オンライン参加OK
「読む」側から、 「書く」側へ。
オンライン参加OK/過去回アーカイブ付。
全12回・途中申込OK。豪華講師陣の書評講座、開催中。
  • 週に1度お届けする書評ダイジェスト!
  • 「新しい書評のあり方」を探すALL REVIEWSのファンクラブ
関連記事
陣野 俊史の書評/解説/選評
ページトップへ