
1961年長崎生まれ。文芸評論家、フランス文学者。ロック、ラップなどの音楽・文化論、現代日本文学をめぐる批評活動を行う。最新作に『戦争へ、文学へ 「その後」の戦争小説論』(集英社)。その他の著書に『フランス暴動 - 移民法とラップ・フランセ』『じゃがたら』(共に河出書房新社)、『フットボール・エクスプロー…もっと読む
『星座と文学』(メディア総合研究所)
陣野 俊史エッセイ集、企画が満載福永信は、いまいちばん新作を待っている作家の一人だ。彼の書く小説は予想外のところからやって来る。面白い。そんな小説家…
書評
『詩集 独り大海原に向かって』(書肆侃侃房)
陣野 俊史自身の無力さ、世界の美しさ去年7月に亡くなった中国の詩人、劉暁波の詩集が刊行された(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆年は2018年)。第2詩集に…
書評
『独り舞』(光文社)
陣野 俊史台湾作家による日本語小説大げさな言い方になるけれど、日本語文学としか言いようのない作品はこれからますます多くなるだろう。日本語は国籍とは関…
書評
『男一代之改革』(河出書房新社)
陣野 俊史文人・松平定信を読ませる三島賞作家、青木淳悟の最新作は、江戸時代の寛政の改革でその名を歴史に留めている松平定信を扱う。まったく予想もしない…
書評
『日の出』(集英社)
陣野 俊史近代史に輝く家族の物語主人公の一人、馬橋清作(うまはしせいさく)は1894年生まれ。父親を日露戦争で亡くしたことで戦争を憎むようになり、徴兵忌…
書評
『天空の詩人 李白』(講談社)
陣野 俊史漢詩の形をした日記収録陳舜臣が亡くなったのは、2年前。晩年の仕事にこの本に収録されている「天空の詩人 李白」という連載があった。雑誌連載はし…
書評
『地球にちりばめられて』(講談社)
陣野 俊史移民時代の感覚を実践登場人物の一人、Hirukoは、留学中に自分の故国である島国が消滅、意図せずして移民になってしまう。ノルウェーのトロンハイム…
書評
『星野智幸コレクションI スクエア』(人文書院)
陣野 俊史ズバリ「新しい政治小説」星野智幸の作品をテーマ別に編集したアンソロジーが出た。全4巻。その最初の巻がこれだ。『在日ヲロシヤ人の悲劇』や『フ…
書評
『〆切本2』(左右社)
陣野 俊史まだ続く、達人たちの言い訳作家たちが迫りくる〆切を前にして(あるいは過ぎて)苦しみ抜いた果てに放った言葉を集めた『〆切本』。大きな話題を呼…
書評
『謀叛の児: 宮崎滔天の「世界革命」』(河出書房新社)
陣野 俊史「革命」夢見た行動の人宮崎滔天(とうてん)は1870年に現在の熊本県荒尾市に生まれている。裕福な家で自由な気風に触れて育つ。長じて、自由民権運…
書評
『春の先の春へ 震災への鎮魂歌/古川日出男、宮澤賢治「春と修羅」をよむ』(左右社)
陣野 俊史魂を揺り動かす朗読古川日出男という作家は、いまの日本の作家には珍しい、声をともなった作家である。古川さんの小説を読んでいると、彼の声が聞こ…
書評
『指の骨』(新潮社)
陣野 俊史戦地にて、苛まれてゆく心話題の小説だ。戦争を知らない世代が描く「戦争小説」として、注目された。第152回芥川賞候補にもなった。とにかく描写が…
書評
『グラウンド・ゼロを書く-日本文学と原爆-』(法政大学出版局)
陣野 俊史原爆文学、世界での受容示す8月6日と9日。原爆が投下された夏がやってくる。原爆や核兵器を、日本語を使って文学として表現してきた人は多くいる。…
書評
『百万遍 青の時代〈上〉』(新潮社)
陣野 俊史転がり続ける凄絶な自伝自伝である。時は一九七〇年。三島由紀夫が割腹自殺を遂げた日、主人公の惟朔は高校を退学する。強引だったが可愛がってくれ…
書評
『記憶の海辺 ― 一つの同時代史 ―』(青土社)
陣野 俊史生きてきた軌跡を辿るドイツ文学者でエッセイストの池内紀の最新エッセイ集。ドイツ文学者というよりも随想をまとめた色合いが強い。副題の「一つの…
書評
『神様の住所』(朝日出版社)
陣野 俊史短歌→散文→短歌の魅力九螺(くら)ささら、という歌人の名前を、いろんなメディアで眼にするようになったのはいつ頃のことだろう。気になる短歌を作…
書評
『グールド魚類画帖[新装版]:十二の魚をめぐる小説』(白水社)
陣野 俊史魚が語る複雑な歴史小説作家は、ある日偶然、魚の水彩画に出会う。描いたのは、ウィリアム・ビューロウ・グールド。描かれたのはもう二百年近くも前…
書評
『パリ南西東北』(月曜社)
陣野 俊史郊外像の源流知る手がかりにブレーズ・サンドラールという詩人がいた。生まれた国スイスを飛び出し、欧米を渡り歩いたが、サンドラールが居を構えた…
書評
『空港時光』(河出書房新社)
陣野 俊史母語と国語の間で悩む人々十の物語が詰まっている。ごく短い小説には、それぞれの主人公がいて、みな一様に空港で過ごし、そこから記憶が立ちあがる…
書評
『終りの日々』(みすず書房)
陣野 俊史自分の内部、諦念交えて洞察最初にこう書いてある。「死の日まで、と思って書く。いま七十四歳。でも、四十八歳としよう。パリへすっかり行ってしま…
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