書評

『バレエの世界史-美を追求する舞踊の600年』(中央公論新社)

  • 2026/05/06
バレエの世界史-美を追求する舞踊の600年 / 海野 敏
バレエの世界史-美を追求する舞踊の600年
  • 著者:海野 敏
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:新書(320ページ)
  • 発売日:2023-03-22
  • ISBN-10:4121027450
  • ISBN-13:978-4121027450
内容紹介:
バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、現代まで伝わるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、市民へと拡大する。十九世紀… もっと読む
バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、現代まで伝わるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、市民へと拡大する。十九世紀の西欧とロシアで成熟し、世界へ広がった。ダ・ヴィンチ制作の舞台装置、ルイ十四世が舞った「太陽」役、チャイコフスキーの三大バレエ、シャネルやピカソが参加したバレエ・リュス、そして日本へ…六百年の歴史を通観する。

時代の変化受け進化


図版は最小限、文章と表で構成された六百年の歴史と聞くと、無味乾燥な教科書が想像される。ところが、読んでいて、これまで腑(ふ)に落ちなかった伝播(でんぱ)の歴史が明らかになり、実に刺激的で面白い。舞踊を美学のみならず、政治や経済の視点から読み直しているからだ。

十五世紀イタリアで生まれた「前バレエ」は、フィレンツェの大富豪メディチ家出身、十四歳のカトリーヌが、フランス国王フランソワ一世の第二王子アンリ・ド・ヴァロアと結婚したところから新たな展開がはじまる。婚姻と結婚披露がバレエの肥沃(ひよく)な土壌となった。王侯貴族自らが踊る余興としてのダンスから、職業ダンサーが劇場で見せる観賞芸術へ。貴族からブルジョワジーへと支持層が変わり、その好尚がバレエの内実を変えていく。

自立した至高の芸術ではなく、時代の変化を受け止め、流転を経て進化していく経緯を描く、スリリングな読みものだ。バレエが持つ「自己変革の力」を強く信じる著者の愛情が伝わってきた。
バレエの世界史-美を追求する舞踊の600年 / 海野 敏
バレエの世界史-美を追求する舞踊の600年
  • 著者:海野 敏
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:新書(320ページ)
  • 発売日:2023-03-22
  • ISBN-10:4121027450
  • ISBN-13:978-4121027450
内容紹介:
バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、現代まで伝わるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、市民へと拡大する。十九世紀… もっと読む
バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、現代まで伝わるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、市民へと拡大する。十九世紀の西欧とロシアで成熟し、世界へ広がった。ダ・ヴィンチ制作の舞台装置、ルイ十四世が舞った「太陽」役、チャイコフスキーの三大バレエ、シャネルやピカソが参加したバレエ・リュス、そして日本へ…六百年の歴史を通観する。

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

初出メディア

東京新聞

東京新聞 :2023年7月22日/中日新聞:2023年7月23日

ALL REVIEWS 書評講座(オンライン受講) ≫オンラインで参加する
現地満席|オンライン参加OK
「読む」側から、 「書く」側へ。
オンライン参加OK/過去回アーカイブ付。
全12回・途中申込OK。豪華講師陣の書評講座、開催中。
  • 週に1度お届けする書評ダイジェスト!
  • 「新しい書評のあり方」を探すALL REVIEWSのファンクラブ
関連記事
長谷部 浩の書評/解説/選評
ページトップへ