
1961年長崎生まれ。文芸評論家、フランス文学者。ロック、ラップなどの音楽・文化論、現代日本文学をめぐる批評活動を行う。最新作に『戦争へ、文学へ 「その後」の戦争小説論』(集英社)。その他の著書に『フランス暴動 - 移民法とラップ・フランセ』『じゃがたら』(共に河出書房新社)、『フットボール・エクスプロー…もっと読む
『我々の恋愛』(講談社)
陣野 俊史回りくどく不器用な男女いとうせいこう、渾身の長篇は、世界中の「恋愛学者」が山梨に集まって開いた「二十世紀の恋愛を振り返る十五ヵ国会議」が舞…
書評
『夢の歌から』(インスクリプト)
陣野 俊史ずっと読み続けたい言葉このエッセイ集の凄さは次の一言に集約されている。悲しみを呑みこんでがれきのなかを歩きまわり、運良く自分に必要なもの…
書評
『錯乱の日本文学: 建築/小説をめざして』(航思社)
陣野 俊史建築から作家を読み解くいま、文芸批評がどう書かれているか――そんな関心をお持ちなら、ためらうことなく石川義正のこの本を勧めたい。取り上げられ…
書評
『サラバンド・サラバンダ』(新潮社)
陣野 俊史男がぐらりと揺れる瞬間藤沢さんの描く主人公は、デビューの頃から一貫している。孤独な内面を抱え、焦燥し、絶望し、ときには狂気に陥る。ある場合…
書評
『来福の家』(白水社)
陣野 俊史3つの言語の間で揺れる今年、第64回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した『台湾生まれ 日本語育ち』の作家の、原点を示す小説集。表題作以外に中篇…
書評
『ラジオラジオラジオ!』(河出書房新社)
陣野 俊史ほのかに甘美な青春小説主人公の華菜(かな)は地方都市に住む高校3年生。東京の大学に進学し、仕事する夢を抱く。友達の智香(ともか)と2人、ふと…
書評
『枕草子/方丈記/徒然草』(河出書房新社)
陣野 俊史創作のような古典の翻訳河出書房新社版の日本文学全集、最新刊。古典の翻訳である。今回は、枕草子を酒井順子が、方丈記を高橋源一郎が、徒然草を内…
書評
『高校生と考える人生のすてきな大問題』(左右社)
陣野 俊史大学の著名人、10代に語る神奈川県にある桐光学園が面白いことをやっている。土曜日に「大学訪問授業」を行っているのだ。生徒たちは普段は大学で教…
書評
『青が破れる』(河出書房新社)
陣野 俊史狭い人間関係、3人の死ボクサーになりたいと思っている主人公の「秋吉」には「とう子」という思いを寄せる人がいる。余命が短い。もう一人、「夏澄…
書評
『ぼくの東京全集』(筑摩書房)
陣野 俊史ユーモア漂う独特の文体小沢信男さんは、1927年、銀座西8丁目育ち。小説やエッセイ、評伝、あるいは書評や詩、俳句を書いてきた。そのどれにも著者…
書評
『真ん中の子どもたち』(集英社)
陣野 俊史日中台、言語入り混じる空間小さい頃に日本にやってきた主人公・琴子は、世界には2つの「ことば」がある、と思っていた。おうちの中のことばと外の…
書評
『もう生まれたくない』(講談社)
陣野 俊史死が起こす波すくい取るこの小説を読んでいて思い出したのは、東日本大震災の後、名前を知っている人も、そうではない人でも、訃報が届くと、それま…
書評
『ロング・リリイフ』(航思社)
陣野 俊史そぎ落とされた詩の言葉松本圭二のセレクションが刊行中だ。松本は詩人であり、小説を書き、映画についての犀利(さいり)な論考を発表してきた。 …
書評
『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』(講談社)
陣野 俊史「いまは戦前」小説家と猫語るいまは戦前だ、と語り手である小説家は書く。戦争は決して一律にやってくるのではなく、弱い者のうえにまず不幸が落ち…
書評
『棕櫚の葉を風にそよがせよ』(文遊社)
陣野 俊史喧騒とは無縁の澄明な世界昔、野呂邦暢という作家がいた。亡くなったのは1980年。42歳という若さだった。30年以上の時間が過ぎたことになる。もっと…
書評
『双子は驢馬に跨がって』(河出書房新社)
陣野 俊史自前の言葉で挑む奇想金子薫の小説を読むと、自分が文学に接するときでさえ、いかに現実に毒されているか、はっとさせられる。言葉で織り上げる文学…
書評
『おらおらでひとりいぐも』(河出書房新社)
陣野 俊史古層に眠る自己動かす言葉第54回文藝賞受賞作。話題の「玄冬」小説だ。玄冬、つまり、青春の対極。年を重ね、子育ても終わり、老いと向き合った女性…
書評
『のこった もう、相撲ファンを引退しない』(ころから株式会社)
陣野 俊史小説家・星野智幸さんの相撲エッセイ。なんというタイミングだろう! と思いながら読む。大相撲を眺め続け、貴乃花の引退とともにファン生活にピリオ…
書評
『時のながめ』(新潮社)
陣野 俊史戦争への深い後悔底に高井有一のエッセイ集。高井の小説は少なからず読んできたが、エッセイ集を読むのは初めてだった。エッセイ一つひとつがとても…
書評
『道の向こうの道』(新潮社)
陣野 俊史失われた文学の豊かさ80歳を越えた作家による自伝的作品集だが、単なる懐古趣味の文章ではない。失われた文学の環境の豊かさに触れる読者の内側に、…
書評

















